過去の軌跡

ここでは、一期の「不死と魔の舞う箱庭にて」〜二期の「神と魔禍つのジハード」までに起きた一期達のキャラや航海種となる一期キャラが来るまでの二期キャラの暮らしなど綴ってくれればと思います!

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一期におけるソロル投下です、私達が触れられなかった一期から二期までの間に起きた事を綴りキャラを深く掘り下げましょう!
凪紗さん (7r4nr98p)2020/12/29 11:44 (No.65350)削除
【《諦観者の過ち》
almaのちょっとしたソロルです。意味不明な部分とか沢山入れたので、ぜひ考察して頂けると幸いです。分からなかったら凪紗に聞いて頂ければ、解説致します】



彼女、almaの飽き性は根っからのものだ。それは、彼女に非があるし、彼女自身もそれは自分が悪いと思っている。
ただ、彼女は全てを諦観しているだけ。何もかも、全てを諦め、傍観者として、影の存在として生きるのを選んだのみ。それもまた、1つの生き方だろう?

だが、彼女にはまだ、1つだけ興味のあるものがあった。自分の両親についてだ。
物心がついた時から、冷たいダンボールの中に蹲っていた気がする。身体中痛くて、苦しくて……。…その時こそ、本当に " 死 " を体験した。それからは、自分の大切な義兄(あに)である、カインの両親に救われたのだが。
未だに、己の両親の事が気になって仕方ない。

今、彼らは何処で生きているのだろうか。
幸せに、暮らしているだろうか。
怪我や、風邪を引いてはいないだろうか。
…私は、彼らの足枷にならなかっただろうか。

勿論、自分を捨てた奴等を心配するなんておかしいとは思ってる。だが、身体が拒否しても本能的には知りたがっていて。でも、怖がってもいる。
今の自分を殺す、ナイフになってしまうかもしれないから。

「___、______」

早朝。まだ日が登る前の時間にゆっくりと、物音を立てないようにして廊下を歩く。今日は、やけに冷たいと感じてしまった。

……ここでバレては意味が無い。
今日は大事な日なんだ。自分の両親について調べる、大切な日。

そう自分に言い聞かせれば、いつも通りのスーツを身につけ、双剣を片手に持ち、音を立てないように、慎重に。慎重に。
漸く歩き、入口まで辿り着けば、キョロキョロと誰も見ていない事を確認してから、外へと出る。

___よし、完璧だ。

苦笑を浮かべながらも、外へ出る時には必ず、例え返ってこなかったとしても、言う言葉を、今日は小声で呟いた。

「……、…いってきます」

そう言い、彼女は外へと走った。
足は、鉛の様に重たかった。


時間的に、人はまだ誰も居なかった。仕事も、今日だけは休みを取らせてもらった。というより、仕事をサボっている奴が休みを取るなんていうのもおかしな話だが…。

まぁ良い。嬉しい事に通行人は自分しか居ない。これなら簡単に外に出られるだろう。

…昔両親から貰ったであろう本に、とある村への生き方の地図と、バツ印の着いたものがあった。確証は無いが、そこに両親の秘密が隠されている可能性がある。

沼に向かって歩みを進めるかの様に、その本を握りしめ、彼女は目的地に向かい始める。
空は、まだ曇っていた。







「……ついたね。」

そう言いながらも、辿り着いたのは小さな村。もう誰も住んでおらず、そこは人が住んでいたであろう、鍵のかかっていない家がいくつもあるだけだ。
早速始めようか。だなんて、付けていた黒手袋をもう一度、ピンとなる様に引っ張れば、彼女は適当な空き家へと入っていった。

そうこうして、色々探し回ったものの、手掛かりになるものは愚か、人が住んでいたような形跡など無い。
日ももう登っていた。そろそろ他の人の活動時間だろう。
今日見つけださなきゃ、次はいつになるか分からない。今日だけなんだ、今日しかないんだ。
almaが、
……ギムレットが親から捨てられた日は。

そう思い、焦りで上手く纏まらない思考をうざったく感じながら、彼女はフラフラと歩き出す。
ふと、波の音がした。

「波……、…?」

ここら辺は森に囲まれているはずなのに、何故…、と思いながら、惹かれていくかの様に音のする方向へと向かえば、そこは崖。どうやらこの崖にぶつかっている波の音だったらしい。
ここには何か手がかりがあるかもしれない。祈るような思いで、崖の辺りを探し始める。
……10分間探したものの、手がかり等見つかりやしない。焦りからか苛立ってくる感情を押さえつけ、もう一度探索を再開する。ふと、地面に、小さく×印が描かれている場所を発見した。

「(……なんだ、このバツ印)」

子供の落書きだと思い、無視をしようとしたが、脳裏にあの本に描かれていた事が過ぎる

「(……探す価値はあるか、)」

そう思いながら、その場所を手で掘っていく。手袋が汚れる事なんて気にならなかった。今は、ただ手がかりが1つでも見つかれば良かったのだから。


どれくらい掘ったのだろう。手が酷く痛む。出血しているのだろうか?分からない。覚えていない。それでも、ひたすら掘っていた。

ふと、手に固いものがあたる感触がした。なんだろう、そう思いながらもう少し掘り進めれば、そこにあったのは " ×ある××の×記 " と書かれた小さな本があった。





【×あ××の×記】
××××年○月△日
今日、自分は娘を授かった。
名前はどうしようか
どんな名前が彼女に似合うだろう?
今から楽しみで仕方ない。

○月□日
娘の名前はギ××ットにする事に決めた。
産まれてくるまであともう少し。
どうか、元気な状態で
私達の元へ産まれておくれ。

ここから先は同じ様な幸せそうなページが続いている。ペラペラ、と捲っていけば、とあるページで指が止まった。
そこには、色褪せた紙にぐちゃぐちゃの、赤黒い殴り書きのメッセージが綴られていた。

×月*日
も×無××。終わ×みた××。
××子×元××ろう×?
××か、×だけ×××に生××くれ。
ギ×レ××。

所々ぐちゃぐちゃになっており、読める所は少ない。ただ、私は何故か悲しくて仕方がなかった。何故か、雨が止まなかった。

空は、とても蒼かった。
そんな空に向かって、言葉を吐き出す。

「……本当に最低だな、アンタらは」

己が吐いた言葉は、空気と混じり、天に向かって消えていってしまった。
この本の意味を理解してしまう自分が、死ぬほど嫌だった。






















その後、普段通りの彼女がまた聖国へ戻ってきたのは、2日後の事。
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